どうもビチューです。
皆さんは、このタイトルを読んで、人間の感覚なんて複雑なんだから、簡単に数式なんかで済ませれるわけないでしょと思った人はいませんか?
実際、私もそんなことができるのかと思っていました。
しかし、実は、人間の感覚というのは、あいまいなものではなく、決まってくるものであると昔の人は発見しました。
この記事では、そんな人間の感覚を表す数式と、そこから見えてくる事実を解説していきたいと思います。
それでは早速見ていきましょう。
おならの匂いを減らしても…
私たちは、感覚(視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚)を頼りに日々生活しています。
実はこの感覚の中には、法則があります。
ここでは、匂いを例に挙げてみます。
閉め切った部屋のおならの匂いを消臭剤や空気清浄機で半分まで減らしたとします。
ところが、私たちは「あぁ、半分の匂いになった」とは感じません。
「ほとんど変わってない」「やっぱり匂う」と感じます。
実は、「半分になった」と感じるためには、匂いの90%を除去しなければなりません。
虫の音とコンサート
「音」もそうです。
私たちは、虫の音とコンサートの大音量を同じように聞く(感じる)ことができます。
これは実に面白いことです。
もし人間が、音量の絶対値を感じとることができるとすると、虫の音は小さい音量なので感じ方も小さく、コンサートの大音量であれば感じ方も大きいことになります。
しかし、そうではありません。
私たちは、小さい音も大きい音も同じように感じることができます。
音の大小にかかわらず感じ方(感覚)は同じです。
10のエネルギーを持つ音があるとき、何倍にすれば人間は音の大きさ(感覚)が倍になったと感じるでしょうか?
普通に考えたら、「倍だから、エネルギーの量は20では?」と思うでしょう。
しかし、人間の耳はそんなに鋭くありません。
「2倍になった」と感じさせるには、実際には10倍の音の大きさにしなければなりません。
「10」の音が「100」になってようやく「2倍」と感じます。
4倍になったと感じさせるためには、「10×10」で、実に100倍のエネルギーが必要になります。
人間の感覚は定量化できる
言ってみれば、人間の感覚は足し算ではなく、掛け算で感じていることがわかりました。
これが1860年の「ウェーバー=フェヒナーの法則」です。
数式はこんな感じ。
$$\color{red}{R=k\log{\frac{S}{S_0}}}$$
R…感覚の強さ S…刺激の強さ
S₀…感覚の強さが0になる刺激の強さ(閾値) k…刺激固有の定数(感覚ごとに異なる値)
つまり、「感覚の強さRは刺激の強さSの対数に比例する」ということです。
これは「精神物理学」といわれる学問の発端となった発表でした。
「精神物理学」は、心理学者ウェーバーが「心理学の世界を定量化できないか?」と考えたことがはじまりです。
人の感覚というのは、とても主観的なものです。
しかし、何もかも「主観だ」といっては学問にはなりません。
それでは芸術の世界になってしまいます。
心理学者ウェーバーは、こうした目に見えない人の気持ちや感覚を定量化するために様々な研究を1840年代に行いました。
そして、1860年に、物理学者フェヒナーが数式化に成功しました。
心理学発祥でありながら、「精神物理学」の法則といわれるゆえんでもあります。
つまり、私たち人間の感覚は、決していい加減なものではなく、定量化できるということです。
激しく変化する環境、つまり刺激を「ウェーバー=フェヒナーの法則」によって実にうまく、かつ正確に感じ取っています。
まとめ
いかがだったでしょうか?
人間の感覚はあいまいなものではなく、結構正確に感じているのだとこの数式から感じ取れたのではないのでしょうか。
やっぱり、数学はすごいなと私は思ってしまいました。
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それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。
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