どうもビチューです。
突然ですが、1枚の厚さ1mmくらいのペラペラの紙を想像してみてください。
あれを何回も折り曲げたところで、そんな大したことはないだろうと思う方が多いのではないでしょうか?
事実、私はそう思っていました。
今回は、私たちが普段何気に使っている紙の驚くべき事実を紹介したいと思います。
この記事を読むことで、紙と対数の凄さを実感できると思います。
指数関数とは?
紙についての事実を知る前に、指数関数について解説したいと思います。
まず、\(a^p\)みたいな式が出たときに、この\(\mathit{a}\)の部分を\(\color{red}{底(てい)}\)、\(\mathit{p}\)の部分を\(\color{red}{指数}\)と言い、\(a^p\)を\(\color{red}{指数関数}\)と言います。
この場合だと、aをp回かけるとどうなるかみたいなことを表したものです。
対数と常用対数
次に、対数についての説明です。
これに関しては、定義を見た方がわかりやすいです。
定義とは、平たく言えば、「こういうものとする」ということです。
対数の定義
$$a^p=M ⇔ p=\log{a}M$$
\(\log{a}M\)の意味… \({a}\)を何回かけたら\({M}\)になるか?
常用対数の定義
常用対数とは、ここでいう底の部分であるaが10になったものです。
つまり、表すとこんな感じです。
$$\log_{10}M$$
10を何回かけたらMになるか?ということです。
紙の折り曲げ問題
それでは、いよいよ本題の紙の驚くべき事実を紹介します。
実際の入試問題でも出ていた問題です。
問
厚さ1mmの紙をn回折り曲げると、\(2^n\)mmの厚さになる。ただし、紙は何回でも折り曲げられるとする。紙の厚さが地球と太陽のおよその距離1億5000万(km)=\(1.5\)×\(10^{14}\)(mm)を初めて超えるのは、紙を何回折り曲げたときか。必要ならば、\(\log_{10}2\)=0.3010、\(\log_{10}3\)=0.4771を使ってよい。 [類 大阪工大]
解答
n回折り曲げたときに地球と太陽の距離を超えるとすると、
$$2^n\gt{1.5×10^{14}}$$
両辺の常用対数をとると、
$$\log_{10}{2^n}\gt\log_{10}{1.5×10^{14}}$$
logの性質を使いまくって、式を簡単にすると、こうなります。
$$n\log_{10}2\gt\log_{10}{\frac{3}{2}}+14$$
ここでも、logの性質を使います。
$$\log_{10}{\frac{3}{2}}+14={\log_{10}3-\log_{10}2+14}\\
=0.4771-0.3010+14\\
=14.1761$$
$$ゆえに、0.3010n\gt14.1761$$
$$よって、n\gt\frac{14.1761}{0.3010}=47.09…$$
この不等式を満たす最小の自然数nは、n=48
よって、48回折り曲げれば、地球と太陽の距離である1億5000万(km)を超えます。
たった48回折り曲げただけでこんな宇宙規模の話になるとは、すごいなと思いました。
まとめ
いかがだったでしょうか?
紙にはこんなポテンシャルを秘めているとは、私は思いもしなかったです。
同時に、ややこしい対数で、こんな測れないものまで計算できてしまうのも、すごいなと思いました。
対数であるlogの性質の説明はしていないので、詳しく知りたいなと思ったときは、白チャートなんかで確かめてみるといいかもしれません。
取り上げた問題も、白チャートに載っています。
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