背理法って結局なんだろう?具体例を通して見えてくる数学の証明方法

数学

どうもビチューです。

数学と言えば、難しそうな証明があるイメージを持たれている方々も多いかもしれません。

そのうちの有名な証明方法として、「背理法」があります。

これは、高校数学で初めてお目にかかるちょっとややこしくて、ひねくれた証明方法です。

この記事では、そんな背理法について詳しく知りたい方向けに解説していきます。

背理法のよく見る説明

教科書なんかでは、難しく、こんな感じで書かれていることが多いです。

ある命題を証明するとき、「その命題が成立しないと仮定すると矛盾が生じる。

したがって、その命題は成立しなければならない」

この証明の仕方が背理法です。

要するに、

言われている内容を1回否定して、その否定した内容で進めるとなんかおかしくなるから、結局この最初に言われている内容は正しいと言うしかない

ということです。

めっちゃざっくばらんに説明したらこうなります。

ここからは、具体例を見ていきましょう。

お菓子を分ける

こんな命題を考えてみましょう。

「12個あるお菓子を、Aさん、Bさん、Cさんの3人で分けるとき、1人は少なくとも4個以上もらえる」

これを背理法で証明すると、こんな感じです。

証明

「12個あるお菓子を、Aさん、Bさん、Cさんの3人で分けるとき、1人は4個以上もらえない、つまり、最大でも3個だけもらえる」と仮定する。

すると、Aさん、Bさん、Cさんが最大でもらえるお菓子の数は、それぞれ3個ずつ。

つまり、お菓子の合計は9個になる。

しかし、これは、お菓子が12個であることに矛盾する。

ゆえに、1人は少なくとも4個以上はお菓子をもらえる。

よって、題意は示せた。

無理数であることの証明

背理法の中でも、代表的な証明方法が、「\(\sqrt{2}\)が無理数である」があります。
これを示していきます。

ただ、かなり難しい言葉が出てくるので、一発で理解したらすごいと思います。

数学の雰囲気だけでも楽しめたらいいなと思います。

証明

\(\sqrt{2}\)が無理数でないと仮定すると、\(\sqrt{2}\)は有理数である。

このとき、1以外の公約数を持たない自然数m,nを用いて


$$\sqrt{2}=\displaystyle\frac{m}{n}…①$$

と表せる。

①の分母を払い、両辺を2乗すると、


$$2n^2=m^2…②$$

この左辺は2で割り切れるので、\(m^2\)は偶数である。

よって、mも偶数である。

ゆえに、mはある自然数kを用いて、m=2kと表せる。

これを②の右辺に代入して、両辺を2で割ると、\(n^2=2k^2\)となり、\(n^2\)は偶数なので、nも偶数である。

よって、m、nはともに偶数となり、2という公約数を持つことになる。

しかし、これはm、nが1以外の公約数を持たないことに矛盾する。

ゆえに、\(\sqrt{2}\)は有理数ではない。つまり、\(\sqrt{2}\)は無理数である。

補足

ここで、数学用語の解説をちょっとだけしておきます。

有理数…分数で表せる数

無理数…分数で表せない数(私は分数は無理って覚えました)

約数…ある数を割り切ることのできる整数

公約数…いくつかの整数の共通な約数

まとめ

いかがだったでしょうか?

この他にも、数学には様々な証明方法があります。

その中でも、背理法を知った時は、こんなのありかよ、なんとも斬新だなと思いました。

まあ、いろんな角度から問題の攻め方があると思っていただけたら幸いです。

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