これも、僕が大学生の頃に書いたショートショートの小説である。読んでいただけると幸いである。
ある技術者Mは、これまでにない画期的なモータの開発に精を出していた。それは、使えば使うほど、効率的に動いてくれるモータである。スマホのバイブレーションの小さなものや飛行機で使われるような大きなモータでも、特殊な電池1本だけで電気代を節約でき、さらに二度と壊れないような永久に使えるモータである。
そして、苦労の末、完成した。早速そのモータと電池を販売できるようになった。
しかし、購入した客KがMに対し、このようなクレームのメッセージを送った。
「私は扇風機のモータが壊れてしまい、御社のモータと電池に魅力を感じ、壊れてしまった扇風機に早速使わせていただきました。最初のうちは、しっかり動いてくれており、助かりました。電気代もかなり抑えられていて素晴らしいものだと思いました。しかし、あるものすごく暑い日に扇風機を使おうとしたら、全く動きませんでした!これは一体どういうことですか!」
不思議に思ったMは、原因を突き止めようとした。すると、こう結論づけた。
「効率的に動いて壊れないようにするには、モータ自身が賢くなっている可能性が高い。つまり、私が開発したモータはどうでもいい時には力を発揮するが、肝心な電気を消費する場面では全く動かなくなる。だから永久に壊れないようになるのだ。」
どうやら、モータにサボるということを教え込ませた結果だったのであろう。
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