皆さんは、鳥、犬、馬、猿などの動物に、数がわかるのかなあと思ったことはありませんか?
人間こそ、脳が発達して色々と難しいことができるようになりました。
しかし、人間以外の動物には、世界がどう見えているのか気になるかもしれません。
この記事では、そんな動物たちが数をどのように認識しているのか面白い話を2つ紹介したいと思います。
参考にした本は、以下の通りです。
数学物語 (角川ソフィア文庫) [ 矢野 健太郎 ]価格:572円 (2023/8/30 07:05時点) 感想(3件) |
巣と卵
あるとき、林の中で鳥の巣を見つけた人がいました。
鳥のいない留守に近づいてみると、巣には卵が4つありました。
そこでその人は、そっと1つの卵を取り去っておきました。
しかし巣に帰ってきた親鳥は、4つの卵が3つになっていることには一向に気が付かない様子でした。
そこでその人はまた、鳥の留守にもう1つの卵を取り去っておきました。
すると今度は、巣に帰った親鳥は、卵の数が減っているのに気づいて、これは危ないと巣を飛び立ち、再びその巣には帰ってこなかった、ということです。
この話が本当だとすれば、この鳥は、4つと3つの区別はできないが、4つと2つの区別ならできるということになります。
生け捕りにしたいカラス
あるお城の塔の上に、カラスが巣を作っていました。
これを見つけた城主は、このカラスを生け捕りにしてやろうと考えました。
そこでそっとその塔の中へ入っていくと、カラスはすぐにこれに気が付いて巣を飛び立ち、城主が塔を出るまでは、どうしても巣には帰ろうとはしませんでした。
これを何度か繰り返してもダメなので、城主は1つの計略を思いつきました。
まず、城主は2人の家来を呼んで、2人いっぺんに塔の中に入ります。
そして、しばらくしてそのうちの1人が出れば、カラスは騙されて巣に帰るだろうから、塔に残っている他の家来がうまくカラスを生け捕るようにと命じました。
ところが、カラスは、この計略には騙されませんでした。
2人の家来が近づくと、巣を飛び立ち、2人の家来のうちの1人が塔を出ても巣に帰りませんでした。
そして、もう1人の家来が塔を出るのを見届けてから、初めて巣に帰ってきたのでした。
よしそれならばというので、城主は3人の家来を使って同じ計略を行ってみました。
しかし、カラスは、これにも騙されませんでした。
城主はその次に4人の家来を使いましたが、これにもカラスは騙されませんでした。
城主はさらに根気よく、今度は5人の家来を使いました。
5人の家来が塔に入るのを見てカラスはその巣を飛び立ちました。
そのうちの1人が塔を出ても、2人が出ても、3人が出ても、カラスは巣に帰ろうとはしませんでした。
ところが、そのうちの4人が塔を出ると、カラスはこれでみんな出てしまったと思ったのか、巣に帰ってきました。
そして、塔の中に残っていたもう1人の家来にとうとう生け捕られてしまった、というお話でした。
もしこの話が本当ならば、このカラスは、2と1、3と1または3と2、4と1または4と2または4と3、5と1または5と2または5と3の区別はできるが、5と4の区別ができないということになります。
他の動物の数の認識
ちなみに、心理学の実験結果では、以下のことがわかっています。
鳥類(こまどり、カラス、ハト、にわとり、おうむ)…2と1、3と1、3と2、4と1、4と2、4と3
ねずみ、犬、馬…1~3まで、稀に4
猿…1~3まで
チンパンジー…1~5まで
これらの動物は、私たちがするように数を数を数えることができるのではなく、ただ目で見て、数の区別(例えば3と2)ができるという意味です。
まとめ
いかがでしょうか?
動物は、少ないながらも、意外に数の認識ができるということがわかったかもしれません。
本書で紹介した本は昭和に書かれた古いものですが、面白いと思っていただけるとありがたいです。
最新の研究はどうなっているのか、調べてみても、面白いかもしれません。
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